数ならぬ

理学系のこと、特に数学について書きます。雑学的な知識もまとめていく所存。

特性X線の生成

 特性\mathrm{X}線は原子に電子を高速でぶつけることによって生成される。

 実際には原子の周りにある電子を高速でぶつかってきた電子が弾き飛ばすことで、より外側の電子が内側に強制的に下ろされ、そのエネルギー分の波長、もしくは振動数をもつ\mathrm{X}線が作られる。

 さて、一つの原子にはn個の電子殻があり、m番目の電子殻に入っている電子のもつエネルギーをE_mと書く。 l > mとする。

 このとき、電子がl番目の電子殻からm番目の電子殻に落ちてきたとする。このとき電子の得るエネルギーはE_m-E_lである。この値は実際にはマイナスになる。つまり、電子はエネルギーを失う。よって失われたエネルギーの行き先を考えると、それは\mathrm{X}線のエネルギーではないかと検討がつく。つまり\mathrm{X}線のエネルギーはE_l-E_mだ。

 また、プランク定数をh\mathrm{X}線の振動数を\nuとすると、\mathrm{X}線はh\nuのエネルギーを持つ。

 以上の二つを組み合わせると、等式h\nu=E_l-E_mが従う。

 ここで、電子のエネルギーE_l,E_mはリュードベリ定数Rというものを用いると、近似的にE_l=-\dfrac{hcR}{l^2},E_m=-\dfrac{hcR}{m^2}と表せる。これを上で得た等式に代入すると、h\nu=hcR\Big(\dfrac{1}{m^2}-\dfrac{1}{l^2}\Big)

 \mathrm{X}線は波長を使って表されがちなので、波長の表現にしておこう。

 光速をcとして、波長を\lambdaと置く。このとき、波の式より、c=\nu\lambdaが従うため、\nu=\dfrac{c}{\lambda}が導かれる。これをリュードベリ定数の式に代入すると、\dfrac{1}{\lambda}=R\Big(\dfrac{1}{m^2}-\dfrac{1}{l^2}\Big)

 あとは\lambda=\cdotsの形にするだけだ。そうすると、\lambda=\dfrac{1}{R}\dfrac{l^2m^2}{l^2-m^2}が従う。

 とくにm=1の場合をライマン系列、m=2の場合をバルマー系列、m=3の場合をパッシェン系列の\mathrm{X}線であるという。