ガウス積分と呼ばれる非常に重要な積分がある。
ガウス積分の公式
高校範囲でガウス積分は求値できる。なので、今回はその方法を説明する。
有名な不等式として
がある。これに
を代入すると
が、
を代入して逆数を取れば
が出る。これらを合わせると

を正の整数とする。
と定義域を制限して両辺を
乗すると、不等号の向きは保たれる。

をつけてやっても大小は変わらない。

という置換を行うことで、真ん中の積分は

に等しいことがわかるので束縛変数を取り直すと

は正なので、かけても不等式の大小関係は変わらない。

最左辺の積分から何とかする。左辺を直接計算するのは馬鹿らしいので、
と置いてどうにかならないか試してみる。この置換によって積分区間は
に変化する。

これはウォリス積分である。
次のウォリス積分
を
と置くと、これは
である。
また、最右辺の積分は
と置くと良さそうである。そのように置換すると、積分区間は
となり、被積分関数は簡単にできる。

は負にならないため、積分区間を延長しても、元よりも値が小さくなることはない。つまり、この積分は
以下である。
上の考察をまとめると、次のような良さげな不等式が得られる。

最左辺、最右辺の極限を求めるために必要なのが次の補題である。
ウォリスの公式

と変形して補題を適用することにより、最右辺と最左辺の極限はどちらも
であり、はさみうちの原理を用いて、

という極限公式が得られる。
が常に正であることを考慮すれば、これはガウス積分が求値できたことを意味する。