数ならぬ

理学系のこと、特に数学について書きます。雑学的な知識もまとめていく所存。

傘型分割?そんなの知らないので関数の方を回転させます。

 以前の記事で示したように、関数の回転は意外と簡単にできることがわかった。そこでこの技を使って高校数学の求積問題の中でもやや難しい斜回転体の体積を求めることに挑戦してみようと思う。

 その中でも非常に典型的な問題を持ってきた。

放物線と直線の斜回転体

y=x^2y=xの囲む領域をy=x周りに回転させたときの体積を求めなさい。

領域の図示

 上の紫の領域を青い線の周りで回転させて得られる回転体の体積を求めるという問題である。

 普通の積分では太刀打ちできなさそうである。普段ならx軸周りに回転させるが、この問題ではそうではないことが問題だ。ということで、x軸周りに回転させた回転体の体積を求める問題に帰着する。そのためには関数をまるごと-45°回転させればよいだろう。

 ということで、変数x,y\dfrac{x-y}{\sqrt{2}},\dfrac{x+y}{\sqrt{2}}にそれぞれ置き換える。すると下のような図形が得られる。

回転させた領域

 これをx軸周りに回転させた回転体の体積を求めればよい。

 よって体積はV=\displaystyle\int_0^{\sqrt{2}} \pi y^2\mathrm{d}xと計算できる。

 X=\dfrac{x-y}{\sqrt{2}},Y=\dfrac{x+y}{\sqrt{2}}とおけばY=X^2が成り立っている。

 またX,Yx,yを表すと、x=\dfrac{X+Y}{\sqrt{2}},y=\dfrac{-X+Y}{\sqrt{2}}となって、Y=X^2を用いてさらに変形すると、x=\dfrac{X+X^2}{\sqrt{2}},y=\dfrac{-X+X^2}{\sqrt{2}}がわかる。

 ここで置換積分を行う。具体的には、x=\dfrac{X+X^2}{\sqrt{2}}と置換する。\mathrm{d}x=\dfrac{1+2X}{\sqrt{2}}\mathrm{d}Xと変数変換できるので、V=\displaystyle\int_0^1 \pi \bigg(\dfrac{-X+X^2}{\sqrt{2}}\bigg)^2\dfrac{1+2X}{\sqrt{2}}\mathrm{d}Xと書き直せる

 右辺を整理すれば\displaystyle\dfrac{\pi}{2\sqrt{2}} \int_0^1 (-X+X^2)^2(1+2X)\mathrm{d}Xとなって被積分関数を展開すると、\displaystyle\dfrac{\pi}{2\sqrt{2}} \int_0^1 2X^5-3X^4+X^2\mathrm{d}X=\dfrac{\pi}{2\sqrt{2}}\bigg[\dfrac{1}{3}X^6-\dfrac{3}{5}X^5+\dfrac{1}{3}X^3\bigg]_0^1

よってV=\dfrac{\pi}{2\sqrt{2}}\bigg(\dfrac{2}{3}-\dfrac{3}{5}\bigg)=\dfrac{\pi}{2\sqrt{2}}\dfrac{1}{15}=\dfrac{\pi}{30\sqrt{2}}