数ならぬ

理学系のこと、特に数学について書きます。雑学的な知識もまとめていく所存。

計算の工夫

 中学校の数学では、次のような問題が最初期に出る。

計算の工夫
78\times82を工夫して計算しなさい

 この手の計算を嫌う人はなんとなく多そうだが、こういう計算は日常生活でそこそこ役に立つ気がする。まあ別に電卓があれば十分であるが。

 一応、計算の工夫の方法を説明しておこう。

78\times8280を基準とすると、(80-2)(80+2)とかけるので、これを二乗-二乗で展開すると、80^2-2^2=6396と求められる。

 このように計算が面倒くさい二桁\times 二桁の掛け算を手早く済ませられるのが、計算の工夫をする理由の肝要である。この視点をもう一歩進めて、一般化した計算の工夫を導いてみよう。

 計算の工夫の手順のその一は二つの数a,bの基準を設定することである。基準の設定の方法は簡単である。基準の数をpとして、b-p=p-aが成り立てば良い。この方程式を解くと、基準はp=\dfrac{a+b}{2}となる。

 この基準を用いて変形すると、ab=\bigg(\dfrac{a+b}{2}+\dfrac{a-b}{2}\bigg)\bigg(\dfrac{a+b}{2}-\dfrac{a-b}{2}\bigg)

という等式が導ける。これを二乗-二乗の式を用いて展開すると、ab=\bigg(\dfrac{a+b}{2}\bigg)^2-\bigg(\dfrac{a-b}{2}\bigg)^2

 別に大した等式ではない。

 試しに色々遊んでみよう。たとえばa+b=2(n+1),a-b=2nとなるように、a,bを定める。すると、a=2n+1,b=1となり、これを計算の工夫の式に突っ込むと、

 2n+1=(n+1)^2-n^2

これに\displaystyle\sum_{k=1}^nを被せると、

\displaystyle\sum_{k=1}^n(2k+1)=(n+1)^2-1=n(n+2)

ここから

\displaystyle\sum_{k=1}^n k=\dfrac{1}{2}n(n+1)

 別にこの式を経由しなくてもいいが、なんとなくしたくなったのでやってみた。

やはりこの式はひどく自明なものに見える。二乗引く二乗の式を変形しただけなので当たり前なのだが、もう一つ何かあればなぁ\cdots