数ならぬ

理学系のこと、特に数学について書きます。雑学的な知識もまとめていく所存。

……おや!?三平方の定理の様子が……!

 三平方の定理とは世界一有名な定理だと勝手に思っているので、説明を省こうと思ったが、やはりself-containedの原則によってそのことについて書こうと思う。

\angle Cが直角である直角三角形\triangle ABCについて、AB,BC,CAの長さをそれぞれc,a,bとおくと、

c^2=a^2+b^2

が成り立つ

シンプルで美しい、まさしく定理の中の定理というべき命題である。証明はさまざまな情報が知られているので、その中から私が最も好きな証明で示そう。

Proof

\triangle ABCについて点CからABに垂線をおろし、その交点をHと書く。

証明図

 ここで\triangle ABC\sim\triangle ACH(ただし、\simは相似を表す記号として扱う。相変わらず\LaTeXを使えない……)が成り立つ。このことは\angle BAC=\angle CAHであることと、\triangle ABC, \triangle ACHが直角三角形であることにより示せる。

 

 これによって、AHの長さをsとしたときにc:b=b:sが成り立つ。よって、s=\dfrac{b^2}{c}が成り立つ。

 

 また、もう一つ相似な三角形の組がある。それは\triangle BAC\triangle BCHである。

 これによってBHの長さをtとおいた時、再び比の式c:a=a:tが成り立ち、t=\dfrac{a^2}{c}がわかる。

 

 ここで、c=s+tであることによって、c=\dfrac{b^2}{c}+\dfrac{a^2}{c}=\dfrac{a^2+b^2}{c}が成り立っているので、整理すると、c^2=a^2+b^2が示された◽︎

 この定理によって示せる命題は多分に存在するが、その中でも最も著しいのは余弦定理である。

 余弦定理には実は第一余弦定理と第二余弦定理が存在する。第一余弦定理はそりゃそうだろうというような補題的な立ち位置の命題であり、第二余弦定理が普段我々の触れてきた余弦定理である。

 今回は第一余弦定理を使わずに第二余弦定理を示す方針で行こうと思う。これ以降、第二余弦定理を単に余弦定理と呼ぶ。

余弦定理

\triangle ABCに対して、AB,BC,CAの長さを c,a,bとおくとき、CA,CBの間の角を\thetaとおくと、

c^2=a^2+b^2-2ab\cos\theta

定理の図解

 証明は三平方の定理と三角比の定義によってなされる。

Proof

\beta=\triangle CBAと定義して、\betaの大きさで場合分けする。

 

0<\beta<\dfrac{\pi}{2}のとき

サステナビリティのためのリサイクル。

上のような図になっている。AからCBに垂線を下ろすと、その交点HBC上に存在する。

垂線引いてみた。

 AHの長さをhとおく。またCHの長さをsHBの長さをtとおくと、\cos\thetaの定義により、s=b\cos\thetaが成り立つ。よってBHの長さは図よりa-b\cos\theta

 また、\triangle ACH三平方の定理を使うと、h^2=b^2-b^2\cos {}^2\thetaが導け、\triangle ABH三平方の定理を使うと、c^2=(a-b\cos\theta)^2+h^2であり、変形していくと、c^2=a^2-2ab\cos\theta +b^2\cos {}^2\theta+b^2-b^2\cos {}^2\theta

=a^2+b^2-2ab\cos\theta

 

\beta=\dfrac{\pi}{2}のとき

これは要するに、直角三角形の時であるので、

直角三角形になってしまいました。

素直に三平方の定理を使うと、c^2=b^2-a^2となる。また、定義より\cos\theta=\dfrac{a}{b}となるので、これを三平方の定理と合わせると、a^2+b^2-2ab\cos\theta=b^2-a^2=c^2となって余弦定理の式が成り立つ。

 

\dfrac{\pi}{2}<\beta <\piのとき

鈍角になってしまった図

 この図でc^2を求める。\triangle ABH三平方の定理を使うと、c^2BHの長さの二乗とAHの長さの二乗の和に等しい。

 BHの長さを\cos\thetaを用いて表すと、b\cos\theta-aとなって、AHの長さはb\sin\thetaに等しい。これら二つの値を二乗して足すと、

 (b\cos\theta-a)^2+b^2\sin {}^2\theta=a^2+b^2-2ab\cos\theta\hspace{1mm}◽︎

 余弦定理の使いどころは、主に二つある。

 一つは、二辺の長さとその間の角がわかっているときにもう一つの辺の長さを求めること。

 もう一つは辺の長さが全てわかっているときに、角度(\cos\theta)の情報を辺の長さの情報に置き換えること。

 どちらの用途も非常に大切であるが、特に二つ目はヘロンの公式の証明で用いたりと、種々の定理の証明に非常に活躍する。