無理数性証明で最も簡単な素数に対する
の無理数性証明を行う。証明は本当に簡単で、おそらく中学生の頃、発展的に証明をしてみた人も多いのではないだろうか。ただ証明するだけでは面白くないので、いくつかのパターンで証明をしてみた。
第一の証明
おそらく最もオーソドックスな証明である。証明は背理法によって行われる。
仮にと書けたとする。ただし、aとbは互いに素な整数で
が成り立っているものとする。
の両辺を二乗すると、
が成り立つ。両辺に
をかけて分母を払うことで
という式が導かれる。
は
を割り切るので
も割り切る。よってある整数
を用いると
と書ける。これを元の式に代入して整理すると、
が導かれ、同様の議論によってある整数
を用いて
が成り立つことがわかる。
最初には互いに素と仮定したはずなので、矛盾。
二乗すると中の数が出てくるというルートの根源的性質を用いた華麗な証明である。
第二の証明
代数的数が無理数であることを示すときに使われる普遍的手法を用いた証明。ではあまり見かけない。
以下の定理は以前証明した。
整数係数の次方程式
について既約な有理数解
が存在するならば、
は
の約数であり、
は
の約数である。
この定理を用いたいので、が解になるような整数係数の方程式を構成する。それは
の定義により
であることがわかる。
は素数だったことを思い出す。仮にこの方程式が有理数解を持つとすると
の4通りしか解を持たない。これを代入していくと
であることにより、どの解もこの方程式を満たさないことがわかる。
この証明は一般化がしやすい。多項式の構成をうまく進めることで、の無理数性なども示すことができる。
第三の証明
第一の証明とかなり似た証明である。素因数分解の一意性を用いる。
仮にと書けたとする。
の両辺を二乗すると、
が成り立つ。両辺に
をかけて分母を払うことで
という式が導かれる。
ここでの指数に注目する。左辺の
の指数は偶数である。しかし、右辺の指数は奇数である。つまり
という数は
通りの素因数分解をもつ。これは素因数分解の一意性に矛盾する
この証明は他の乗根の無理数性にも応用できるので、一般化しやすい。
このほかにも平方根を連分数展開することで収束の早い有理数列を構成して、ディリクレの定理によりそのような近似列は有理数には存在しないことを確認すれば無理数であることが示せるという極めて本質的な証明も存在する。しかしながら、そのような証明は高度であり、程度の証明には火力が高すぎるので紹介は割愛させてもらう。