みなさま、このような式をご覧になったことがございまして?
ただルートをかけ続けるだけなのに、左辺には黄金比で知られるという数が現れるのだ。どういう仕組みでこんな等式が成り立っていると言えるのだろうか。今回はこの無限ルートの謎に迫っていきたいと思う。
まずはとりあえず、計算を楽しんでみよう。別に楽しまなくてもいい。お手元に関数電卓があるのだったら非常に心強いだろう。なかったとしてもwolfram使えばいいのではという疑問は胸の中にしまっておくとする
確かに、ゆっくりとだがくらいの値に見た感じは近づいていっている。つまり冒頭の式は正しそうである。驚き!!
この奇妙な結果を示すためにはどうしたら良いだろうか。こういう時は共通する手続きを観察することが大切である。ルートを回使ったような式の値を
と表してみる。
たとえばを観察すると、ルートの内部に
が隠れていることがわかる。具体的には下線部が
である。
これを置き換えるととなる。この関係は添字がどんな値でも成り立ちそうだ。つまり、我々は次のような関係式を手に入れた。
つまり、我々が考えるべきたくさんルートを被せるとに収束するという問題は、実は次のように言い換えられる。
びっくり飛び道具式がただの極限の問題に帰着されたのである。諸手を挙げて喜ぼう。わーい。
さて、漸化式の極限を求めるときに、次の定理が強力である。
この定理が漸化式とどう結びつくか分かりづらいと思うので、実際に適用しながら考えてみよう。
まずは補題をいくつか証明する必要がある。
帰納法により示す 。
のときには数値計算により正しいことが示される。
のとき正しいとして、
のときを示そう。
より、
が不等式を満たすことを示せば良い。
まず、下からの評価は簡単である。は正であるので、
が成り立つからである。よって以降は上からの評価を行う。
これによっては一定の区間にとどまることが示された。さて、ここから平均値の定理を用いる。手始めに、漸化式を書き換える。
と定義する。
このときが成立する
証明はつけなくて良いだろう。ただ置き換えただけである。このときについて次のような式が成り立つ。
これはに成り立つ不等式の証明中で示した恒等式から明らかに成り立つ。また証明中にもこの補題を用いている。このように関数
において
を満たす点
を
の不動点と呼ぶ。段々と平均値の定理の使い方が浮かんできたのではないか。そうだ。平均値の定理は次のようにつかう。
平均値の定理を使いたい。は
で微分可能なので平均値の定理を閉区間
で使うことができる。
と変形できるので、
が導ける。
とかける。ここでこの関数の
での最大値を求める。
は明らかに単調減少なので区間の左端で最大値を取る。つまり、
が最大値。これを定数で抑えたいので、不等式
を思い出すと、
が示された。ここから
が示せた
よってであるから題意は示された
︎
つまり、項番号を増やすと誤差は
倍以下に縮まるということを表している。特に、
は系として示される。
ここで、このことを体感するために、計算例を再び持ってくる。
収束値との差は
隣り合っている項を見ると誤差は倍以下になっているのが簡単に見て取れる。